大阪市天王寺区における木材市場の現況(令和2年 2020)

大阪市天王寺区における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

大阪市天王寺区には1972年に摂南方面を管轄にした木材市場センターが設置されました。この市場の2020年の現況は約240万トンの取り引き高を記録しており、下半期には約410万トンまで伸びることが広報誌の算出によって明らかとなっています。大阪市天王寺区では年間約500万トンもの木材を取り扱っており、2020年の現況を見る限り年平均値よりも減少していることが伺えます。これは2020年月から世界的に流行してる新型コロナ肺炎による影響であり、木材の海外輸出に主軸を置いている大阪市天王寺区では、取引国の湾岸港の封鎖を受けて木材輸出がおこなえていません。そのため、市場内で輸出されていない木材の在庫を抱えており、新たに市場に持ち込まれる木材を制限しているので取り引き高が低い水準に位置します。なお、7月以降の下半期は海外輸出が再開される見通しなので取り引き高も例年に近い数値まで回復していくとセンターでは計算されています。林野庁による各自治体の木材市場調査が始まった1984年当時、大阪市天王寺区では年平均160万トン程度しか取り引きがなされていませんでした。国内市場向けのスギ・ヒノキ・マツの3種類のみを扱っていましたが、1991年の木材貿易の自由化によって中国・カナダ・マレーシアなど東南アジア向けのスギを輸出するようになり、1994年には全体の取り引き高の約60%を海外輸出が占めるまでになりました。住宅用建材に使用されるものが大半で、スギ1kgあたり約70円で取り引きされています。Cランクの木材がメインであり、途上国向けの品質となっていますが、強度に長けているため最大の取り引き国であるマレーシアでは建材だけでなくエクステリアにも利用されているのが特徴です。大阪市天王寺区の2020年以降の木材市場の動向は、2021年までに平均水準にまで回復する見通しです。今後も海外輸出に主軸を置いて、安定した取り引きを続けていくことでしょう。

 

 
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