大阪市港区における木材市場の現況(令和2年 2020)

大阪市港区における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

大阪湾に面している湾岸エリアにあたり大阪市港区は、国際貿易拠点です。この地域を管轄してる湾岸エリア木材市場センターの2020年の木材市場現況は約320万トンで、下半期分を加算すると計560万トンになることがセンターの歳時報告から読み解くとこができます。大阪市港区で取り扱っている木材は紀伊山地・鈴鹿山脈のスギ・ヒノキの2種類です。奈良県の一部木材市場の材木も取り扱っており、林野庁による各木材市場の動向調査が開始された1981年当時で国内第1位の取り引き高と収益を記録していたほどです。もっとも取り引き高が多かった1992年で年間1,200万トンとなっており、この数値の内訳は約70%が海外輸出となっています。木材の自由貿易が開始された1976年から大阪市港区の木材市場は、大阪府を代表する木材の輸出拠点として機能するセンターとして設立された背景があります。そのため全国でも類を見ない木材輸出量を誇っており、主にマレーシア・ベトナム・ミャンマー・アラブ首長国連邦といったアジア各国向けに建材となるスギ・ヒノキを輸出している市場です。2001年から輸出のみならず国内市場向けの木材取り引きも開始され、こちらではエクステリアや調度品・割り箸等の加工品向けの木材の需要が高いのが特徴です。各木材の1kgあたりの取り引き価格は約65円で全国平均値よりも大幅に割安なのが特徴ですが、これは市場が湾岸エリアにあり、輸送コストが掛からないことが要因となっているからです。大阪市港区の2020年以降の木材市場の動向は、今後もアジア各国向けの輸出を主軸としていくことが予測されます。また、アジアだけでなく欧州地域も貿易先の候補に挙げているため、大阪のみならず日本を代表する大規模な木材市場へと成長を遂げる可能性も秘めているところです。現況を維持しつつ、さらなる取り引き高と収益増加を見込める市場となって発展していくことでしょう。

 

 
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