大阪市此花区における木材市場の現況(令和2年 2020)

大阪市此花区における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

大阪湾に面している大阪市此花区には、府内及び奈良県の木材市場で取り引きされた材木を取り扱う中央木材市場はあります。この中央木材市場の2020年上半期の取り引き現況は、約260万トンです。この数値は前年よりもマイナス15%となっており、減少傾向にあります。これは2020年2月に世界各国で猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響が強く、木材市場でも大幅な取引減少となっていることが伺えます。大阪市此花区で取り扱われている木材はスギ・ヒノキの2種類で、全体の約70%がアメリカ・カナダ・フランスなど世界5か国へ向けた輸出が市場の過半数以上を占めているのが特徴です。林野庁による各地の木材市場調査が開始された1984年当時は年間460万トンもの取引率を誇っていました。このうち約40%が国内市場向けで、関西圏内及び九州地方へと輸送されて住宅建材として使用されていたものです。1980年代後半は各地で大規模なニュータウン建設が相次いだため、大阪市此花区でも取り扱っている各木材の需要が非常に高くなっていたと見受けられます。その後バブル景気は去って移行は取り引き率が減少していき、代わりに輸出対象国を増やして海外取り引きへと主軸を移すことになりました。大阪市此花区ではスギ1kgあたり約65円となっており、全国の平均価格よりも安価になっています。これは木材加工を市場内でおこなっておらず、丸太の状態でコンテナ船へと積み込むため加工費用が省かれているからです。2020年下半期以降の大阪市此花区の木材市場の動向は、新型コロナウイルスの影響に左右をされるものの、上半期よりも取引率は高くなる見通しです。現況の約260万トンから最大で300万トンまで伸びると予測され、2021年以降は主力取引国であるフランスが年間約150万トンの輸入を再開して大幅な利益増を見込めることでしょう。今後も関西圏の木材市場の中心として機能していく市場です。

 

 
トップへ戻る