大阪市北区における木材市場の現況(令和2年 2020)

大阪市北区における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

大阪市北区には大阪府内の木材市場を統括する中央木材市場センターがあり、ここにすべての木材が集約されて各地域の市場へと運ばれて行きます。2020年上半期、大阪市北区の木材市場の現況は約680万トンとなっていて前年よりもマイナス120万トンの取り引き減となっていることがセンターの定例報告書の算出で明らかになっています。大阪市北区で取り扱っている木材のうち約62%が海外輸出用です。この海外輸出取り引きが2020年3月から4月の間停止していたことで、前年よりも大幅なマイナスになりました。取り引き停止の原因となった新型コロナウイルスに世界的流行は徐々に収束しつつあり、7月以降は各国で再び貿易が再開されるので大阪市北区の木材市場でも例年通りの取り引き高に戻る見通しです。この市場で扱われている木材は、和歌山県の紀伊山地と奈良県の笠置山地で伐採されているスギ・ヒノキ・カシの3種類です。主な取引先はマレーシア・アラブ首長国連邦・イタリア・スイスなど世界16か国となっており、住宅用建材から寺院の建設・修繕など幅広い用途で利用されているのが特徴です。カシに至っては日本固有の木であり、紀伊半島一帯でしか自生していないので非常に高い需要があるものです。1kgあたり約350円で取り引きされていますが、年間約120万トンもの取引率を誇っている木材で、このカシのみでも約25億円の収益を上げています。国内需要に至ってはスギが年間160万トンの需要があり、1kgあたり約60円で取り引きされています。この価格は全国の平均価格よりも20%近く割安ですが、供給量が多いことに起因している結果です。2020年下半期以降の大阪市北区の木材市場の動向は、7月以降に例年並みの取り引き率へと回復していくことでしょう。1年間の収益は前年よりも落ち込むことになりますが、2021年以降は再び収益面も回復して安定した取り引きがおこなえる市場になると予測できます。

 

 
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