ホワイトウッドに対するコロナウイルスの影響について(令和2年 2020)

ホワイトウッドに対するコロナウイルスの影響について(令和2年 2020)

 

ホワイトウッドは、ヨーロッパ全域に自生し、特にスウェーデンやフィンランドやロシアなどの北欧に多く分布する常緑針葉樹です。通常は寒い地域の針葉樹は、成長が遅くて硬くて加工性が低い木材が多いのですが、ホワイトウッドは辞意室が柔らかくて削ったり釘を打ったり加工に適しているため家具やインテリア製品の材料として使われてきました。日本ではフローリングやテーブルや家具などのインテリア材として人気がありますが、ピアノやバイオリンなどの楽器でも響きが良いという事で良く使われて輸入されてきました。そしてヨーロッパではもみの木ではなく、このホワイトウッドがクリスマスツリーで使われています。近年では木材の加工技術が高まって、木の繊維を平行に合わせてまるで天然木の板のように加工された集積材も多く輸入されています。
新型コロナウイルスの影響は、ホワイトウッドの原産地にも大きな影響を与えてます。主要な原産地の北欧でもコロナウイルスの感染者が増加して、多くの林業従事者が作業できずに自宅待機を余儀なくされています。それにより計画されていた伐採も行われず、木材加工場も閉鎖されてしまい流通が滞ってます。その他にも伐採や木材の加工に必要な重機類の輸送や、新規の加工場の建設もストップしています。そして森林伐採や管理の作業が長期間滞れば、山が荒れ果ててしまい良質な木材が育たなくなったり、伐採した物を運ぶ林道も管理できずに使えなくなってしまいます。それに加えて元々少なかった林業者も離職してしまい、さらに収入の途絶えた木材加工会社も倒産する可能性が高まります。コロナウイルスの影響は、徐々に北欧のホワイトウッドの生産者や、それらを輸入に依存している日本に出てきてます。そしてコロナウイルスの怖い所は、収束するまでにどのぐらい掛かるのかが予想できない事です。このまま収束まで1年以上掛かれば、北欧のホワイトウッドの生産業者は壊滅的な打撃を受けて、もとの状態に戻るまで長期間を要します。

 

 
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