日の出町における木材市場の現況(令和2年 2020)

日の出町における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

高層ビルやマンションが林立する東京都内では、林業は行われていないと思われるかもしれません。
しかし西部の多摩地方では古くから林業が行われていて、特に昭和30年代頃には拡大造林も行われていました。
ですが安価な輸入材に押される形で東京都内の林業も衰退の一途を辿り、木材として利用可能な50年生以上の森林が50%を超える一方、20年生以下の若い森林が極端に少ない状態となっています。
このような状態ですから東京都内の木材市場の現況も思わしくなく、現在では日の出町に1カ所を残すのみです。
東京都内で唯一原木を取り扱う日の出町の木材市場の現況は、主伐事業の開始以降取扱量を着実に伸ばしています。
特に平成24年度には取扱開始以降最高記録を更新しており、地元である多摩産の木材も増加中です。
日の出町の木材市場で原木の取り扱いを開始した直後は、多摩産材ではなく他県産のが目立っていました。
しかし平成18年度頃から地元産の取り扱いも徐々に増え始めて、平成24年度は80%を超えるほどです。
ここまで日の出町で多摩地方で伐採された原木が増加したのは、主伐事業の影響が大きく影響しています。
木材市場の8割を占める多摩産材のうち9割は、主伐事業によるものとされています。
今後も木材として利用可能な木材が多摩地方にある限り、木材市場の現況はこのまま推移すると考えられるはずです。
取扱量が増えるごとに日の出町の木材市場には多くの丸太が並べられ、毎月2回競り市も開催され仲買人の威勢の良い声が響き渡っています。
地元である多摩産の原木の割合を増やしつつ、他県産も含めた全体の取扱量も拡大している日の出町の木材市場の現況は、良好な状態にあると言っても過言ではないでしょう。
しかし若い森林が極端に少ない現況には変わりないので、日の出町の木材市場がこれからも賑わいを見せ続けられるかは、計画的な植林や伐採を行っていくことが大切だと考えられます。

 

 
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