多摩市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

奈良県には吉野スギ、長野県の木曽ヒノキなど日本には全国的に知れ渡るブランド木材が各地にあります。
東京都内にも多摩産材と呼ばれるブランド材があり、高く評価されています。
スギやヒノキなどの多摩産材が高く評価されている理由は、全国平均よりも高い年輪密度と曲げ強度です。
多摩産のスギは年輪密度が高いので木目が美しく、曲げ強度も高いので住宅用の木材として適しています。
また多摩産のヒノキは、油脂分が多く色艶も良好です。
地元には多摩産材を積極的に使って家を建てる工務店も多く、使用される機会は増えています。
このように高く評価されている地元産は、多摩市で伐採された木材とイメージするかもしれません。
評価の高い地元産を取り扱う多摩には木材市場もいくつかあって、現況も賑わいを見せていると思うでしょう。
しかし多摩産材といっても、多摩市で伐採されているわけではありません。
多摩産材は奥多摩町や日の出町などの多摩地方の西部地域に集中しており、原木を取り扱う木材市場も日の出町にあります。
つまり高く評価されている多摩産材といっても、多摩市にはほぼ関係ないと言って良いでしょう。
ですが地元産を使った住宅は多摩市にも増えており、シェアは拡大中です。
現在国や地方自治体では、衰退する林業の現況を変えるため木材の地産地消を推進中です。
地元で伐採された原木を地域の木材市場で取引してから使用することにより、さまざまなコストカットと林業や木材市場の活性化を実現できます。
多摩市でも地域の木材使用を推奨しており、高品質な地元産は人気です。
そのため日の出町の木材市場には多摩市からやってくる関係者も多く、毎月2回開催されているセリにも参加中です。
こうして木材市場で取引された原木は住宅用などに加工されてから多摩市に運ばれ、さまざまな場面で活用されています。
現在市内に建てられている木造住宅も、地元で伐採され木材市場で取引された原木かもしれません。

 

 
トップへ戻る