東大和市における木材市場の現況(令和2年 2020)

東大和市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

東大和市の2020年上半期の木材市場現況は取引高が約12万トンとなっており、前年度と比べて5万1,000トンの減少となっています。なお、2019年度の年間総取引高は約150万トンとなっているため、2020年度下半期には総取引量は高くなる見通しです。東大和市では関東圏内にある計4か所の木材市場を取りまとめる木材市場西関東センターがあり、主に関東山地一帯で産出されているスギ・クリ・ヒノキの3種類の木材を取り扱っています。林野庁による各自治体の木材市場取引調査が開始された1981年当時は、約14万トンのみの木材しか取り扱われておらず、すべて国内需要向けでした。1990年になると木材輸出が解禁され、これに伴って東大和市でもアメリカ・イタリア・スペインなど計5か国向けにスギの輸出を開始するに至りました。2019年の総取引高のうち約46%が海外輸出であるため、東大和市の林業の半分は海外需要に頼っていることが伺えます。1991年から総取引量は年間100万トンを越えるようになり、1998年のピーク時に至っては約260万トンもの輸出をなされていたほどです。これは東大和市だけでなく、全国各地の木材市場でも扱う木材の取り引き先として海外に焦点を合わせるようになり、「木材バブル」が1998年に訪れる結果となります。しかし、各地の山林で大規模な伐採が相次いだことで国内の環境破壊が進み、2000年に環境省と林野庁によって木材伐採総量規制が各自治体ごとになされました。東大和市の場合は年間160万トンまでと定められて現在に至ります。2019年度の海外輸出量は約56万トンに抑えられており、国内需要と半々の売り上げ高です。2020年以降の東大和市の木材市場の動向は、現況を考慮すると総量規制数値を守りながら安定した供給がなされると予測できます。2025年には総量規制緩和がなされるので、現在よりもより多くの取り引きが可能になることでしょう。

 

 
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