狛江市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

関東圏内にある計3つの木材市場を管轄している狛江市の市場現況は、2020年4月現在で約38万トンの木材取引高となっています。前年の同時期と比べると約8.6%のマイナスで、市場の主要であった海外輸出量が減少していることがマイナスの起因となっています。狛江市で取り扱っている木材は主にマツ・スギの2種類で、国内向け需要ではなく輸出専門であるのが特徴です。狛江市で木材市場を管轄するようになったのは1992年からで、林野庁の指示のもと輸出専用市場として機能するようになりました。マツ・スギはCランクの建材向け品質のものとなっており、1kgあたり約40円という卸価格のため、マレーシア・ベトナム・サウジアラビアなどが建材用として輸入しています。取り引きのピークであった1999年には約320万トンもの輸出量を誇り、木材バブルが狛江市の財政を大きく潤したほどです。なおその後も年間120万トン前後の安定した数値で輸出をおこなっており、狛江市を代表する産業として林業が位置付けられました。2020年上半期の約38万トンという取引率は決して低い数値ではありませんが、木材市場では下半期にプラス域に達するという見解は示しておらず、前年比よりも大幅な赤字決算になると予見を出されています。これは2020年2月下旬から世界各地で猛威を振るっている新型コロナウイルス問題と大きく絡んでおり、未だ先進国では行動自粛並びに経済活動の再開のメドが立っていないからです。建築業も例外ではなく、材木の需要が大幅に減少しているため狛江市の木材市場では取引がストップしています。この影響は2020年度の取り引き高に大きく反映され、狛江市で木材市場が誕生して初めての木材利益のマイナス域到達になる可能性もあります。2020年以降の狛江市の木材市場の動向は、海外輸出だけでなく国内市場向けにも取り扱い材木を流通させるルート作りが市場維持の鍵となるでしょう。

 

 
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