武蔵野市における木材市場の現況(令和2年 2020)

武蔵野市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

武蔵野市の2020年4月の木材市場の現況は、前年の同時期と比べて約23%のプラス域である約46万トンの取り引き高を記録しています。この数字は林野庁が1986年から開始している各自治体の木材市場調査の中で、もっとも高い数値となっており武蔵野市の材木取引が活発になされていることが伺えます。武蔵野市で取り扱っている材木は主のスギ・ヒノキの2種類で、関東圏内並びに一部東北地方で産出されたものです。2019年度の年間総量は約260万トンで、このうちの約70%にあたる160万トンが国内需要向けです。海外向けは30%のみで、こちらは建材ではなく調度品や工芸品等の需要でAクラスの品質の木材のみしか輸出されません。国内向けの住宅建材用の木材はB〜Cクラスのものとなっており、武蔵野市の木材市場では1kgあたり約100円の卸価格です。全国の平均価格と比べると約10%は割安なので、取引が活発におこなわれていると見受けられます。2020年4月の段階で前年よりも取引高がプラス域に到着しているのは、武蔵野市東部で大規模な宅地開発がなされていることが要因です。なお、1993年にも市内で宅地開発がなされましたが、その当時で年間380万トンの木材取引がなされ、純増利益だけでも13億円を越えたほどです。2020年度も同様の規模で開発されており、武蔵野市の財政の約30%が林業収益が占める見通しになっています。2020年以降の武蔵野市の木材市場の動向は、宅地開発が2025年まで続くので、向こう3年間は取引高と純増利益はプラス域をマークし続けることでしょう。国内需要のみで木材市場を維持しているのは国内でもごく僅かであり、その中で武蔵野市は秀でた取引をおこなっているといえます。木材の取り扱い全体量は他の自治体よりも少ないですが需要に見合っただけの取り扱いであり、国内の木材市場の模範的な取り引きをなされていくことでしょう。

 

 
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