台東区における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

台東区には関東60か所の木材市場を取りまとめている「中央木材市場センター」があります。ここでは各地の山林で伐採されたヒノキ・スギ・マツ・クリなどの木材が集められ、国内の取引先または海外へと輸出されています。台東区における2020年度の木材市場の現況は、取り引き量は約2,500万トンで国内第2位の総量となる見込みです。林野庁による木材市場調査が開始された1984年の段階で、台東区の年間木材取引総量は約20万トンしかありませんでした。わずか35年で大幅な取引総量を記録するようになった理由は、1998年に月島に設立された中央木材市場センターの稼働によるものです。それ以前までは港区の晴海ふ頭に設置されていたセンターで、取引総量は例年港区が管理をおこなっていました。以降は台東区の管理となり、市場で取り引きされた木材の売り上げも台東区に計上されています。2019年度は約1,050万トンの取り引きとなっていて、このうちの輸出量は約740万トンで木材の輸出が盛んであることが伺えます。輸出先はカナダ・フランス・シンガポールの3か国となっており、ヒノキ・マツが需要の大半を占めているのが特徴です。これらは住宅建材としてはもちろんのこと、調度品・工芸品に加工されており比較的高品質なものが選ばれる傾向にあります。台東区の木材市場では、関東各地から寄せられる木材を扱っているため年間売り上げが約12億円を越えていますが、1kgあたりの取引価格は1kgあたり50〜400円と価格幅が広くて木材の品質によって大きく異なります。さらに、中央木材センターでは輸出向け木材の税関チェックも同時におこなえるため、輸出向け木材の場合は卸価格に課税も付与されるのが特徴です。2020年以降の台東区の市場の動向は、現段階と同じく全国有数の取引率を誇り、安定した経済収入を得られることでしょう。なお、課税に関しては一律0.5%の減税が2021年になされるため、税収入面では減収傾向になると予測されます。

 

 
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