東栄町における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

東栄町は、愛知県北設楽郡に含まれる人口約3,000人の町です。北設楽郡には人口約4,500人の設楽町、人口約1,000人の豊根村などがあり、2町1村で構成が行われている群です。奥三河と呼ばれている東三河地方の山間部にあるのが東栄町を含む北設楽群で、山間の中にある小さな町です。町域には三遠南信自動車道(国道474号)や国道151号、473号などの主要道が通って、町域内の移動や他エリアの移動に便利な主要地方道や一般県道なども少なくありません。また、林業が盛んな町でもあり林道の整備が進められており、林野内の管理や伐採もしくは植栽の際に役立てられているようです。

 

東栄町の木材市場の現況ですが、当エリアの林野面積は町域の約9割と多く、標高1,016mの明神山をはじめ1,000m級の山々が連なる、天竜川や豊川の水源地などの環境を持つため、良質な木材を排出する場所として認知されています。東栄町の森林は、地域住民の生活に密着した里山からはじまり、森林面積約8割がスギ林やヒノキ林の人口樹林帯まで、その面積は雄大なものとなります。また、林野には巨木ともいえる広葉樹林が育成する天然生林などもあり、バラエティに富む構成が特徴的です。

 

ただ、最近では生活様式に変化が生じ従来炊事や暖房などの熱利用で木材が使われることがなくなり、循環可能
な薪や炭から化石燃料が一般的になっています。建築資材についても国産のものは値段が高いなどからも、価格が安い輸入材を利用するケースも少なくありません。これらのことからも、産業として林業が成立しない植栽された木は適切な管理が行われずに放置されてしまう、荒廃した森林も目立つようになるなど森林自体の保全が課題になっています。なお、東栄町森づくり基本条例が平成21年4月に制定され、森林の保全活動が積極に行われるようになった、愛知県内で使用する木材を排出する場所の一つとしての役割を持ちます。

 

 
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