豊田市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

愛知県北部にある豊田市は、自動車メーカーの企業城下町として有名です。
自動車の製造工場だけではなく下請けの部品メーカーも集まっているため製造業が盛んなイメージが強く、木材市場に原木を供給する林業は発展していないと思いがちです。
しかし豊田市内では、戦後は人工林の造林が盛んに行われていました。
森林の88%は私有林となっており、一時期は木材市場も賑わいを見せていました。
ですが現在の豊田市では、放置林が問題となっています。
スギやヒノキの人工林は、多くが間伐が必要な時期にさしかかっておりその面積は人工林の7割にも及んでいます。
必要なら間伐をしてしまえば良いですが、豊田市の私有林所有者は零細規模です。
資金もなければ人でもない状態に陥っており、その結果木材市場に出荷できる時期でありながら伐採もできず、放置林となっています。
間伐実績は1年で1000ヘクタールと計画目標を大きく下回っており、解決策は一向に見えてきません。
この森林を放置しておくとさまざまな問題の原因になるので、豊田市ではさまざまな施策を行い放置林の解消を目指しています。
施策が適切に実行され計画通りに間伐や伐採が行われるようになれば、放置林が増加している現況は大きく変わるかもしれません。
また高品質なスギやヒノキが伐採されるようになれば、木材市場にもよい影響を与えるでしょう。
高品質なスギやヒノキが豊田市の木材市場に集まると話題になれば、全国から仲買人が集まってくる可能性があります。
もちろん全国各地の仲買人だけではなく、地元でも消費が見込めます。
自動車の製造では木材は使われないと思いがちですが、近年は軽量化できる木材繊維や環境に優しい気だけで作られた車などが考えられ研究が進められています。
こうした木材を使った自動車が実用化されれば、豊田市内での需要も伸びるでしょう。
自動車製造での需要が伸びれば、木材市場の現況にも大きな影響を与えると考えられます。

 

 
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