岡崎市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

岡崎市は、愛知県の中央部にある三河高原の西にある都市です。
市内にはJR東海道本線や私鉄が走り、国道1号線や東名高速道路など交通網も発達した地域です。
そのため各地から木材が集まる木材市場が立地する場所としては適しており、実際にいくつか存在しています。
ですが岡崎市内にある木材市場の現況は、著しい状況ではありません。
木材市場の現況が苦しい理由は、岡崎市の林業が衰退してしまったからです。
かつての岡崎市は、豊かな自然を活かし林業が盛んに行われていました。
そもそも岡崎市は、額田地域を中心に広大な森林が広がっており、矢作川や乙川など自然環境が豊かな地域でした。
しかしいまでは緑豊かな自然の多い地域ですが、矢作川の流域は明治時代から昭和初期に欠けてはハゲ山が広がっており、戦後の植林によって現在の形に近づいたとされています。
植林が行われたことで、岡崎市内では額田地域を中心に林業も盛んに行われ木材市場も活発化します。
木材市場には良質な原木が集まると話題になり、一時期は多くの取引が行われていました。
しかし安い輸入材が増えた結果、木材価格は低迷しその影響は岡崎市内にも及びます。
かつては多くいた林業従事者も現在では数が少なくなり、木材価格の低下と合わせ人手不足も深刻な問題となっています。
2つの深刻な問題に直面しているため、木材市場の現況は明るいものではありません。
取引量は最盛期と比較すると大きく落ち込み、回復の見込みは一切ありません。
しかし岡崎市も現在の状況を放置するのではなく、さまざまな施策を行い林業の活性化を目指しています。
良質な木材を生産していた額田地域の振興を図るとともに、国定公園など緑豊かな自然を保護しながら活用する策を積極的に進めています。
こうした施策が実れば、林業の人手不足は解消し少しは木材市場の現況も上向くかもしれません。
絶え間なく一つ一つの試作をこなしていくことこそ、木材市場の現況を変えるためには大切です。

 

 
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