知多市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

知多市は、愛知県の知多半島の北西部に位置する人口約84,000人(2019年10月時点)の市です。市の名称は知多郡や知多半島に由来するもので、市域の大半は標高20m〜70mの丘陵で、丘陵を刻む谷および海岸線には古くからの集落や市街地が形成される環境になっています。高度経済成長期以降になると丘陵地にはつつじが丘などの団地が造成されるなど市域の人口増加が伺えます。

 

市域内には、愛知県の尾張丘陵部から知多半島の一帯にかけて供給を行う農業用・工業用・上水道用の水を供給するための愛知用水、佐布里池に源を発し知多市および東海市を経て伊勢湾に流れる信濃川(野崎川)、流域は開発が進んでいるなどからも土砂流出が多いとされる阿久比川などの河川が流れています。他にも、美濃川・日長川(鍛冶屋川)・矢田川(新川)などの2級河川も流れており、水のある風景を楽しむことができる環境を持ちます。

 

愛知用水の開通により、内陸部での農業が盛んに行われるようになり、フキやペコロスなどが特産物になっています。知多市の林業の割合はそれほど大きなものではありませんが、林業に携わる戸数としては9戸あり、林野面積も現況では252ヘクタールを有しています。林野面積の中で公有林は12ヘクタール、私有林は240ヘクタールで木材市場においても多少なりの活性化が期待されます。木材市場の流通経路の大半は知多市内の中で活用する建築用木材や家具などの木工製品です。市域内の中で切り出される木材の量は少ないため、愛知県内や岐阜県内からの木材を流通して使用するなどの特徴があるようです。

 

ちなみに、木材市売市場には原木市売市場および製品市売市場の2つがあり、木材市売市場の場合は生産者などから集荷した商品を保管、買方を集めてセリなどにより最高値を提示した買方に販売を行うなどの特徴があります。一方、原木市売市場の場合は、出荷者により搬入が行われた原木を、樹種・長さ・径級・品質・直材・曲がり材などに仕分けを行い、はえずみし・セリで販売を行うなどの違いを持ちます。

 

 
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