大府市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

大府市の木材市場の現況は、さほど活発ではないものの安定した状況となっています。愛知県西部の知多半島の北端に位置するこの地域では、近年ではウェルネスバレーと呼ばれる、医療福祉関連の施設が集中するモデルケースが存在し、加えて自動車産業が盛んなことから人口が増加しており、これに伴い介護住宅の建設と一般の住宅の建設が著しいためです。その一方で丘陵地帯では古くから農業が盛んであり、非常に安定した経済活動をしていることから、木材市場の現況は安定した推移を示しているのです。
大府市のほとんどはなだらかな丘陵地帯であることから、古くから人が集まる地域でした。交通の要所としても発展し、経済的にも比較的安定しています。名古屋市や東海市に隣接していることから、これらの都市に通勤する人々のベッドタウンとなっていることもあり、近年では急激に人口が増加する傾向が見られるほか、住宅や様々な施設の建築も非常に増えており、建材となる木材の需要が伸びている状況です。
その反面、地形の特徴から木材の生産はほとんど行われていないため、その需要は外部からの購入で賄ってきました。高度成長期には1部の地域で杉や檜の生産も行われましたが、その生産量は決して多くはなく、さらに海外の安い建材の輸入も芳しくなったことから現在では生産されていない状況となっています。木材市場の傾向は需要が圧倒的に増加している状況で、そのほとんどを外部からの購入に依存しているのが特筆すべき点です。
大府市は郊外型と都市型の双方の経済の特徴を併せ持つ地域ですが、近年では自動車の利用により人々の移動距離が長くなり、中心市街地のドーナツ化が進んでおり、郊外の大型商業施設の発展により様々な商業施設が建築されているのもポイントです。そのため、郊外に人口が集中する傾向がありますが、総合的に経済が安定しており木材の需要が増えており、今後も発展する地域と期待されています。

 

 
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