津島市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

愛知県の西部に存在する津島市は、名古屋市からも近いためにベッドタウン的な位置付けにもなっている市です。この市の木材市場の現況を確認すると、2020年においても横ばいという想定がされるでしょう。元々林野面積が少ない市という事もあって、市内での木材生産という部分はあまり見込めないというのが特徴です。
しかし期待値として挙げられるのが、名古屋市のベッドタウンという観点です。人口は約60000人という部分からもまだ増加が見込める事もあり、これから名古屋市で働く世代の新築住宅の建設が期待できます。住宅建築が増加すると木材市場も活発化しますので、津島市の経済発展の動向が注目される所です。
そして津島市には伝統的な文化として「和太鼓」の製造が受け継がれています。愛知ブランドとして全国の神社やお祭り用で活用されていますが、和太鼓の生産に欠かせないのが木材です。和太鼓はケヤキの原木から製造されており、原木はもちろん原皮もふんだんに活用されている事が特徴です。この製法は全国でも珍しく、伝統的なこだわりが高い評価を受けているようです。
ケヤキはニレ科の広葉樹で、北海道以外の全国に生息している樹木です。耐久性が高く製造の際にも狂いが少ない木材で、木目が非常に美しいという点からも和太鼓には最適な木材として扱われています。また硬くて強いという反面で、加工が難しくないというメリットがあり、手間暇をかける事で美しい仕上がりにできる事も魅力です。
津島市の伝統でもあるこの和太鼓の生産が受け継がれていく限り、2020年においても一定の安定したケヤキの取引が行われるでしょう。日本三大川祭の1つでもある尾張津島天王祭でも必要不可欠なケヤキの和太鼓ですので、祭り行事とともに受け継がれていく事が期待されます。
このように津島市の木材市場はベッドタウン利用での新たな住宅建設や、伝統的な生産がされている和太鼓の存続という部分が重要なポイントを占めていると言えるでしょう。

 

 
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