犬山市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

犬山市は愛知県の北端に位置する市で、北部は木曽川を隔てて岐阜県に隣接しています。江戸時代以降は国宝指定の犬山城の城下町として栄え「尾張の小京都」と呼ばれていたことから、国際的な観光都市として広く知られています。総面積はおよそ75平方キロメートルで、森林計画による森林面積は34平方キロメートルとなっており、森林の大切さを啓発するための講座の実施を始めとして、地球温暖化防止に貢献している木材の需要拡大のためのPRや木材産業・林業関係への金融支援・指導にも積極的です。更に、平成21年度からは「あいち森と緑づくり税」を購入して森林や里山林の整備保全を進めており、産出された木材は愛知県産木材である「あいち認証材」としての普及にも努めています。愛知県では古くから三河地方を中心に植林が行われており、木材業界の中では「三河材」の名称で高い評価を得ています。森林資源を樹種別で見ると、スギとヒノキで全体のおよそ54パーセントを占めるなど県全体でも高い産出量を誇っていますが、資源量も年々増加しており「育てる」と「使う」双方のバランスがとれていることが特徴です。スギは光沢のある赤みと美しい目あいを持っており鴨居や長押、周り縁などの造作材に最適で、ヒノキは淡いピンク色で優れた光沢があるため柱材に最適と言われています。木材市場では愛知県産材を初めてとした優良な建築材が多数取引されており、一般建築材からフローリング材など幅広い取り扱いがあります。取引先は市内や県内の木材加工業者が多く、木材に付加価値を加えて県内や全国に流通しています。「あいち認証材」を積極的に扱うことで、山村地域の林業・木材産業の活性化とともに、森林整備の更なる発展と森林の持つ多面的機能の発揮に繋げるため、犬山市の木材市場は大変活発であることが現況ですが、県産材の利用拡大に伴う技術開発や他県への搬出促進などの新たな取り組みが急務となっています。

 

 
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