名古屋市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

名古屋市のある愛知県では、2003年度から続くあいち木づかいプランに基づいて県内産の木材の利用を進めています。三河地方では古くから植林が行われてきており、優良な木材の生産が行われているという定評があります。ヒノキを中心とする木材は美しい状態で木材市場に出ますので、様々な用途で活用促進が進められています。特に名古屋市ではランドマークでもある名古屋城の再建を木造で行うかどうかの議論が行われている最中であり、現況では活発なテーマの一つになっている状況です。
木材は市内だけで供給されるものではありませんが、県内という範囲に視野を広げると豊富な資源に恵まれています。土地面積に対して4割ほどが森林であるというのが愛知県の特徴であり、取引が行われる市場も西部市場と大口市場の二つが主なものとして取り扱いがあります。天然林ではなく植林によって管理されている再生可能な資源として運用されているのが特徴の一つであり、様々な産業で利用促進が行われています。
しかしながら現況は、木材価格に関しては生産業者にとって安定した明るい未来を見通すことが出来る水準が今後も維持されるかどうかは何とも言えない状況になっており、必ずしも良い状態であるとは言えません。愛知県の林業は全国的に見てもそれほど高い生産額になっているものではなく、今後の事業継続にはいくかの課題が存在している状況です。すでに名古屋市だけではなく、県や国でも新しい取り組みについて検討を深めてきている状態であり、先述したあいち木づかいプランのように木材の利用を通じて山と町をつなぐ架け橋を作ることを目的として活動をしています。
その方向性には、木造や木質化の促進の他、木材利用の普及啓発や用途の拡大、さらには県産木材の利用技術の新規開発にまで及ぶ大規模な内容があり、現実的な検討が行われています。その結果、徐々にではあるものの名古屋市においては県産の木材を活用した建築が行われるケースが促進している状況にあります。

 

 
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