裾野市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

裾野市の森林面積は、9392ヘクタールになり市域の約63%を占めています。内訳は、国有林が1951ヘクタールで大半が民有林が占めているのです。昭和27年に箱根山で催された全国植樹祭を契機に箱根外輪山は「ヒノキ」、安鷹山系は「スギ」の産地で全国有数の規模を誇っているのが裾野市になります。裾野市の市民は、森林という貴重な資源を持っているのです。最近は、ヒノキもスギも丸太の価格が低迷しているのです。森林面積の70%が手入れが必要な人工林であることから、森林組合があることが支えになっています。木材市場の現況は活発とは言えませんが、貴重な財産を維持してより価値のあるものに変えていくためには、森林組合を育成して公的な役割を強めていくというのが裾野市の基本的な考え方です。

 

裾野市が重点を置いている施策は、森林管理のために林道の整備と間伐の実施です。民間の林業従事者は63経営体でうち家族経営が59という零細業者になっています。林業を採算の取れる主体にするには、供給に対する需要の喚起が急務となっているのです。スギやヒノキは、建築資材として利用するのは勿論ですが生活の中に木材を取り入れていく環境が大事になります。昔から、家を木造にすることで空気の流れを変えて自然の環境が体に良いと言われています。大切な森林を守るために裾野市では、平成30年に特定間伐等促進計画を立案して地区指定を行い伐採計画としています。森林組合と協力して林道整備などで間伐材を山から運ぶことを実施し、間伐材を利用した加工製品を製造したり、合板・木材チップなど消費者のニーズにあった木材製品の供給を増やしていこうとしているのです。目的を定めて貴重な森林資産を活用することで森林の保護をしていこうとしています。国産木材チップの価格は、供給が少ないため高値で取引がされており輸入チップが安値で入ってきているのが現状です。間伐材の利用方法を変えていくことで付加価値を高めていく必要があるのです。

 

 
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