富士宮市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

富士宮市は、静岡県の東部に位置し富士山の緩やかな西南麓の豊かな森林に恵まれた地域です。昭和27年から30年の間にかけて一斉拡大造林事業が行われ、富士宮市周辺も「ヒノキ」主体の造林がされ、6100haの人工林が造成されました。地域の民有林の80%がヒノキの人工林で民有林の割合が高い傾向があります。富士宮市の木材市場の現況としては、人工林の70%に達するヒノキが、樹齢7等級以上の伐採期に達しているのが現状です。

 

富士宮市の木材市場の活性化のためには、地域の材木の安定供給と需要の拡大・消費者ニーズに対応できる製品を開発していくことが急務となっているのです。豊かで材質に恵まれた「富士ヒノキ」を銘柄化することで原木から製品までの流通経路を確立することが必要です。日本の製紙業の歴史上富士宮市は、大きな役割を果たしてきましたが、国内市場の縮小や高い製造コストの影響で工場を海外に移転し、生産拠点を移してきました。再生技術などパルプの技術は確立しているので新しい産業構造を築いていく必要があります。注目されるのは、樹齢の高い伐採期にある木材の活用方法です。木材チップを活用できる場をつくっていったり、樹脂等の素材にできないかと言った活用方法が検討されています。県産木材を利用した家づくりを推進することは勿論ですが、もっと供給に見合って需要を増やしていくことが重要です。富士宮市では、公共土木工事での木材利用実績を高めることに注力しており、利用実績は約9000?に達しています。木製堰堤や丸太ののりわく工事に活用してきています。治山は山を守ることであり、切り取った木材を治水などの工事に活用することも一つの方策です。今までの技術を活かして、社会に貢献できる分野での「富士ひのき」の活用法を探していく必要があります。木材加工の分野でも利用しやすいカット方法などを推進することで、丸太から加工までの一体化した流通体制を確立していく必要があります。

 

 
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