熱海市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

静岡県熱海市は、静岡県の東部にあり神奈川県と接する市で、別荘地や温泉地として大変有名です。熱海市では、熱海の地域資源を森林とおさえ、森林を生かした地域活性化に取り組んでいます。熱海での林業に興味がある人を対象とした自伐型林業研修を開催するなど森林資源を生かしたまちづくりが特徴です。熱海市の森林面積は、総面積の約60パーセントにのぼり森林資源自体は豊富ですが、放置林が大変多く木材市場においても豊富な森林資源を活用することができていない現況となっています。林業の担い手の養成や確保のための研修を実施していますが、古くからの林業従事者の高齢化や減少は顕著で、担い手不足の状態が続いている状態です。
熱海市が実施する林業研修では、チェーンソーの操作や選木、収穫をはじめ搬出や作業路の作成など材木の一連の作業を行うことができるように実践的な内容が選ばれています。研修後にも、フォローアップ研修なども用意されており継続的に技術を身に付けることができ、林地の確保にも協力するシステムがあります。専業の林業従事者の育成だけでなく、週末を利用して林業に携わる人が少しずつ増えてきているため、間伐や下草刈りなど森林保全を中心とした活動をする人が増えてきています。
豊かな森林資源があり、温泉地や別荘地として有名な土地なので、地元産の木材を利用して家や施設を建てたい人やリフォームをしたい人も多いため、地元の森林資源の活用が望まれています。また質の良い木材は、国内でも需要が高く供給は不足している状態となっており、輸出材としての活用の可能性もあります。熱海市の現況では放置林が多くなっていますが、林業研修や森林保全の取り組みが進んできており、今後は林業従事者として熱海市で活躍したり、週末を利用して林業に携わる人が増えることが期待される地域です。神奈川県と隣接しており、関東方面からの需要が期待できるため、担い手不足を解消することが課題です。

 

 
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