牧之原市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

牧之原市の木材市場の現況は、非常に安定した状況となっています。東日本大震災以降、隣接する中部電力浜岡原子力発電所の永久停止を求める決議を2011年に市議会にて可決し、その動向は定まってはいないものの現時点では再稼働の見込みが立っていないことから安全な地域と言う印象が広がっており、そのために住宅の建築が安定していることによります。また、牧之原市はその地形から農作物、特にお茶の産地として有名で、その様々な用品が木材で製造されていることからもその需要は非常に大きなものとなっているのが特徴です。
牧之原市は駿河湾の海岸線から、牧の原台地にまで及んでいるのが特徴ですが、山林地域はほとんど存在していないため木材の生産は芳しいものではありません。また、集落のほとんどが海岸沿いに存在していることからも、林業は決して盛んではなく、そのために生産は非常に少ないのが実態となっています。それでも高度成長期には台地の1部を森林地帯にすることで杉や檜の生産を行っていましたが、高度成長期に国内の木材の需要が低迷し、価格の安い海外のものへとその需要が移ったことや、本来のお茶の生産に力を入れる農家が増えてきた頃から林業が衰退し、現在では放置された山林が1部残るのみとなっているのが現状です。そのため、木材市場の現況においても需要は非常に多いものの、そのほとんどは他の地域や海外からの入手となっているのです。
市内では様々な木材の需要があることから原木を購入し用途に応じて製材を行う製材所は非常に多く存在しており、市内での様々な用途に使用する木材はほとんどが市内で加工されています。特にお茶の保存に最適な桐の需要は非常に多く、市内の製材所でも桐箱の生産が盛んで、牧之原市の特産品ともなっており、市内だけでなく様々な地域にも販売を行っているのが特徴です。
牧之原市は海岸地域も重要な生活の舞台となっており、またイベントなども盛んでそのイベントに利用される様々な民芸品に木材が使用されることも多いため、様々な木材需要を持っているところでもあり、その現況は非常に安定しているのが特徴となっています。

 

 
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