磐田市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

磐田市は静岡県西部の天竜川沿いに広がる都市で、南側は遠州灘に面しており、西隣には政令指定都市の浜松市があることから、浜松市のベッドタウン的な住宅開発や、自動車・楽器などの特色ある産業の部品製造などの関連事業所の集積が進んでいます。特に企業立地の側面からみると、磐田市は首都圏と中京圏のどちらに対してもアクセスが抜群で、東名高速道路の磐田インターチェンジ、御前崎港や清水港といった大規模港湾、さらには静岡空港にも近いなど交通インフラに恵まれています。さらに天竜川の豊富な水資源を利用できるところも大きなポイントです。磐田市の総面積はおよそ16000ヘクタールですが、そのなかの森林面積は2500ヘクタール程度にとどまっており、森林率は16パーセントしかありません。これは全国平均・静岡県平均のどちらからみても低い水準であり、基本は都市的な土地利用がほとんどと考えるのが妥当です。磐田市の森林資源にはかなりの偏りがあり、ほとんど北部の豊岡丘陵地が主体となっていて、ほかに遠州灘沿岸の海岸部などにも森林がありますが、資源として積極的な活用がされているわけではありません。資源として利用可能な人工林は豊岡地域に集中し、樹種としてはスギ・ヒノキが中心です。磐田市の木材市場の現況は、もともと生産性にとぼしいこととあいまって、価格の低迷が目立っており、計画的な間伐保育などを通じた優良木の安定供給が課題となっています。豊岡地域の樹木は戦後に植林されたものが多く、木材としての活用に適切な40年生以上となっており、ポテンシャル自体はけっして少なくはありません。そのため目下のところ、静岡県の森林づくり県民税を財源とした補助率100パーセントの森の力再生事業を活用し、間伐などの森林整備が鋭意行われています。ほかに市域にはマツも生育していますが、これは海岸地域に多く、ほとんどが保安林ですので、マツクイムシの防除などの事業が主体です。

 

 
トップへ戻る