井手町における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

井手町における木材市場の現況は、決して芳しいものではありません。高齢化が進み、町域の約70%を占める山林のほとんどは近年の木造建築の需要の低下や、町民の高齢化などによりその出荷量が激減し、伐採がなされずに放置されている状態のものも増えているのが実態です。これは井手町が所属する京都府全体に言えることでもあり、民有林の60%が放置状態となっていることから、井手町を含めた京都府内の各市町村ではこれに対する対策案を長期的に打ち出し、その改善に向け尽力しているのが実態となっています。
井手町は木津川の支流である玉川が東西に縦断している地域であり、その川沿いに自然が溢れている地域となっているのが特徴で、特に4月は河野両岸に咲き誇る桜が非常に美しく多くの観光客が訪れます。また歴史的には弥勒古墳や高月古墳など日本の古代を知る上で非常に重要な史跡も存在しており、非常に注目を集める地域となっているのが特徴です。そのため従来は農業と土木業が中心の地域となっていましたが、近年では豊かな自然を生かした観光産業の割合が非常に多くなっており様々な施設の現像が行われているのも特徴となっています。
木材産業はかつて井手町の主要産業となっていました。特に高度成長期には木造住宅の需要が多く、杉や檜のような木造建築に適した木材を多く生産していましたが、近年では価格の安い外国産が多量に入っていることや需要そのものが減少したことなどによりその出荷量は年々落ち込んでいます。現在の木材市場の現況も生産面では決して香ばしいものではなく、生産者の高齢化も相まってその生産量や取引量が落ち込んでいるのが実態です。
井手町の木材は非常に品質が良く多くの地域で重用されてきました。現在は高齢化などの理由にもよりその生産量が落ち込んでいますが、活性化のために再度木材市場を開拓しようとする動きも強まっており、民芸品等への応用や海外への輸出なども視野に入れた活動が行われており、今後は生産量やその他の活動も活発になると考えられています。

 

 
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