京都市における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

京都市は、滋賀県に隣接する京都府の県庁所在地です。京都府京都市は、現在は祭りごとの中心地は東京ですが江戸時代以前においては京都市だった歴史があります。インドから中国を経て伝来した仏教の中心だったこともあり、世界遺産に登録されているような神社仏閣が数多く立ち並んでいるのです。そんな神社仏閣を作る際に、その建築材料になっているのは木材になります。京都には数多くの神社仏閣が存在するために隣県の滋賀県や奈良県からも運ばれてきますが、京都市もまた丹波山といった標高の高い山に囲まれているのです。そのため足りない部分は他から補うにしても、基本的には
京都市周辺で取れた木材を建築材料として使われています。そのため京都市での木材市場の活況は盛んと考えてしまいますが、実際は昔に比べて現況は減少傾向にあるのです。確かに京都市周辺に存在する神社仏閣には地元産の木材が使われていますが、至極当然ですが木材の使用は決して神社仏閣だけに使われるものではなく住宅にも使われて初めて意味を成します。京都市は近年外国から来訪客を呼ぶことを目的に、東京のような都市化が進められているため古い家屋が失われるようになっているのです。さらに人口減少も影響しており、これは関西全般にも言えることですが高校大学を卒業すると働き口のある名古屋や東京に移住する人が急増しています。神社仏閣だけでなく古くから存在する古屋が魅力なのですが、人口減少によって空き家が増えているのです。空き家が増えるということは、その修繕に木材が使われなくなるので現況が悪化している理由になります。もちろん手をこまねいているというわけではなく、神社仏閣の維持そして古くから残っている古屋を未来に継承するために活動をしています。例えば京都大学に在籍している若い世代と各自治体が協力して、古くからある小屋の活用法を生み出すことで若い世代の価値観で新しい可能性を生み出しているのです。新しい可能性によって神社仏閣だけでなく、しっかりと家の素材として使う機会が増えればおのずと元の活況に戻ります。

 

 
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