東牟婁郡における木材市場の現況(令和元年 2019)

東牟婁郡における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

東牟婁郡は、和歌山県にあり那智勝浦町・串本町を含む4町1村で構成された行政区になります。県内南端部と紀伊半島南部内陸部に位置しており、森林が多くユネスコ自然遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の熊野エリアがある所です。東牟婁郡の森林の状況としては、熊野スギやヒノキで知られる人工林の割合が高く林業は戦後の復興期を通じて住宅建設の好調のなか発展してきました。戦後活発に行われた人工造林は、昭和30年をピークに下降して減少にいたっています。原因は、原木価格の低迷にあるのです。ヒノキの原木価格はピークになる昭和55年当時の約5分の1まで下降を続けており、東牟婁郡の木材市場の現況は取引自体が低迷しています。木材を切り出して全国に運び出すため勝浦港などがあり、原木運び出すことはできます。製材の技術も優れており木材加工も盛んな地域です。

 

和歌山県では、「紀の国森づくり基金条例」を平成17年に制定していらい森づくりと林業の復興を図ってきています。基本的な考え方としては、森林環境の保全と及び森林と共生する文化を創造する基金をつくって紀の国の森を守り木材を処方面で活用していくことです。熊野信仰の聖地のひとつである那智山の一帯は観光地としても名高く多くの観光客が訪れるスポットになっています。産業としての木材活用は間伐など森林を守ることにもつながり、木材利用を促進したり積極的に都市の家づくりに活用することが大切です。山から切り出した木材を製材して加工する工場も多い地域で、熊野スギは強度があるので加工して利用したいという海外の需要もあります。木材での販売では現在の木材市場の現況では採算に合いませんが、材木を加工してマンション内部の資材にして活用することができます。今まで利用されてこなかった間伐材も工夫によって実用化ができれば森林保護の面からも支援すべき事業です。木材を使うことを目的とする紀の国森づくりにまず県民が、その必要性を知って・理解して・参画することで熊野の木材活用を目指しています。

 

 
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