由良町における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

由良町は、和歌山県のほぼ中央に位置する町で、東側は山地・西側は紀伊水道に面しています。町の西部は、県立公園白崎公園があり景勝地でも有名です。大阪市内からは電車・車ともに90分圏内という地の利の良い場所です。和歌山区域都市開発では、御坊市などの御坊エリアに属しています。県の中央部にあり日高川沿いの広がる県下第2の平野部を有していることから、温暖な気候を利用して花卉栽培や野菜などの施設農業が盛んな地域です。里山が広がっており、ミカン畑が多い地域でもあります。由良町の木材市場の現況は、原木市場の低迷の影響もあり盛んであるとは言えません。しかし隣接する御坊市やエリア内の日高川町と連携する形で里山を保全する動きをしています。

 

木質パウダー燃料という製造工場が、御坊市にあり地域の間伐材などを活用しています。森林は成長するときに、光合成により二酸化炭素を吸収して酸素を排出するのです。木質バイオマスを燃やしても環境に影響を及ぼさず逆にカーボンニュートラルになります。そこで製造工場に間伐材を持ち込み木質パウダーに加工しているのです。バイオマスタウン構想を定めて平成22年から着手しています。街づくりの一環として地産地消のエネルギーを生み出していく構想で、木質バイオマスを盛んな都市型農業に取り入れて、温室などの暖房燃料として利用を目指しています。大阪の近郊農業を支えていくためにも施設農業は欠かせないものです。エネルギー源として間伐材や木材を利用するためには、遠方から運ぶのでは効率がわるくなります。御坊エリアの中で賄っていくことが大切になります。実際に稼働している施設としては木質パウダーボイラーによるカーネーション栽培ハウスが実用化されているのです。燃焼制御の優位性があり、ガス燃焼のようにパウダー燃料を噴射して燃焼させますから、瞬時に着火・消火ができます。安定した燃料が工場で生産されますから供給できるので、由良町では積極的に取り入れる構想です。

 

 
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