有田郡における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

有田郡は和歌山県の北西、西側は和歌山湾に面し北側は有田市や海南市などに隣接している群です。有田郡には湯浅町・広川町・有田川町の3つの町があり、湯浅町は醤油発祥の地などでも有名です。紀伊半島西部の海が陸に深く入り込んだ、入り江の奥にある町で湯浅広港は古くから天然の良港として物流の中心地として栄えて来た歴史を持ちます。広川町は町の中央を広川と呼ぶ河川が流れており、紀伊水道に注いでいます。川からの栄養が海に流れる漁場の役割を担っているわけです。有田川町は有田みかん、山椒の生産でも有名な町でこちらも町の中に有田川が流れるなどの自然環境を持ちます。

 

有田郡の面積の大半は山林地帯で古くから林業を営んでいる人も少なくありませんし、逆に高齢となり後継ぎがいないなどの関係で山を手放すケース、そのまま放置してしまうケースも少なくないようです。森林は木材市場への影響を与えるもの、森林の活性化こそが林業を支える木材市場を活性化させるポイントになって来る部分です。有田郡の木材市場の現況がどのようになっているのか、これを調べたときに有田川町危険木伐採事業等補助金と呼ぶ制度があることがわかります。

 

危険木は直径が目の高さでおおむね20cmを超えている、樹高がおおむね5m以上で倒木した際に住宅などに被害を与える立木のことを意味するものです。自治体からの補助金は対象経費の2分の1で限度額は5万円までといわれています。これは林業との直接的な関係はないのですが、有田郡の中にある3つの町では木材市場を活性化させるための補助金を用意しており、森林を守る目的で作業時にかかるコスト、例えば燃料などの費用を補助金で賄うことができる、設備導入時の費用に使うなどの試みを行っているようです。尚、有田川町の林業の現況は区域面積35.184ヘクタールの中で森林面積は27,076ヘクタールを有しており、林業事業体数は15事業体で2つの森林組合を持ちます。

 

 
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