高野町における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

和歌山県北東部にある高野町は、古くから寺院等に建立に使用するために必要な木材を生産する木材業が盛んにおこなわれてきた地域です。町域面積の約95%を森林が占める地域で、森林は水資源の涵養や国土保全、レクリエーションや癒しの場の提供、生態系の維持など、林業以外にも多くな役割を果たしています。
高野町は、高野山真言宗の生地高野山を中心とする町です。貴重な文化座や建築物、名所が数多く存在し、現在でも高野山は町の中心として大切にされており、観光資源として大変重要です。2004年には世界遺産に登録されており、日本国内からはもちろんですが、世界中から多くの観光客が訪れています。高野山にある寺社仏閣の多くが、高野町の木材を使用して建立され、修復等でも町内産の木材が使用されています。質の良い木材が生産されており、公共施設や住宅などの建物にも多く使用されており、町内産の木材を建築に使用することを高野町が推進しているところです。
また和歌山県が推奨している企業や労働組合等が率先して森づくりを実践する企業の森事業にも、積極的に参画しており、森林組合の雇用創出や地域間交流に取り組んでいます。高野町では、質の良い森林を守るために、定期的に森林の現況の調査と測量、森林の生育状況の確認、災害発生時の被害状況の確認、盗伐や境界侵犯の有無の確認などを行い管理に取り組んでおり、健全で良質な木材の生産をする努力をしている町です。木材市場においても良質な木材を多く提供することができる町として認められており、高級木材の需要が高い現況となっています。
森林を所有していても手入れをすることができない作業を森林組合に委託することができ、補助金制度の対象となることも高野町の特徴です。人工林でも天然林でも間伐や枝打ち、下刈りなどの作業を委託し、補助金制度を活用することができます。補助率は50%から65%と高く、森林資源の維持に役立っています。

 

 
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