九度山町における木材市場の現況(令和元年 2019)

九度山町における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

和歌山県の北東部に位置する九度山町は、古くから林業が盛んな地域です。主に杉・桧・赤松を取り扱っており、九度山には和歌山県立林業センター北部支部もあります。2019年の九度山町の木材市場の現況は約520万トンの取り引き高となっており、前年度よりも12%アップした数値を記録していることが林業センターの広報誌から読み取れます。九度山町では国内向けの材木以外に、海外輸出もなされているのが特徴です。2019年の総量のうち約300万トンが海外向けの取り引き数量なので、木材市場の半数以上が海外輸出で占められているということになります。なお、林野庁による全国各地域の木材市場調査が開始された1984年当時は、九度山町では約110万トンの木材取り引きしかおこなわれていませんでした。現況よりも大幅に少ない数量になりますが、当時は木材の海外輸出が規制されており、すべてが国内向けの取り引きのみでした。2015年〜2019年の国内向け木材の出荷数量が年間約95万トン〜100万トンなので、35年間で目立った変化が見受けられません。1990年に木材貿易の自由化がおこなわれ、九度山町の林業センターでも杉・桧・赤松を香港・マレーシアへと輸出するようになり、1996年にはさらに中国、アメリカ・イタリア・オランダの計5か国の国を対象に木材取り引きをスタートさせて現在に至ります。取り引き高のピーク時であった2001年には年間約66億円もの木材収益を上げており、林業が九度山町を代表する産業に位置付けられました。九度山町は紀伊山地の麓にある市で、豊かな山林資源に恵まれているため、国内だけでなく海外からの木材需要に対して安定した供給がなされる地域であるといえます。2019年以降の九度山町の木材市場の動向は、今後も国内向けの住宅建材用の杉・桧・赤松を年間約90万トン出荷すると同時に、貝が愛輸出もおこなって安定した収益を得ていくと見受けられます。

 

 
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