かつらぎ町における木材市場の現況(令和元年 2019)

かつらぎ町における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

かつらぎ町は、和歌山県北部に位置する人口1万6千人弱の町です。北に和泉葛城山、南に紀伊山地がある盆地に近い地形になっています。町内を東西に紀の川が流れており、最南端の新城地域には貴志川また花園村域には有田川が流れているのです。1958年に町村合併でかつらぎ町が誕生し、2005年に花園村を併合して今のかつらぎ町となりました。樹木では「きんもくせい」が有名で、平核無柿の生産が全国一の出荷となっているのです。かつらぎ町は、かっては製材所などの林業が盛んでしたが、原木価格が低迷していることから木材市場の現況は往時の姿はなく、間伐などの事業を進めなければならない状況にあります。

 

全国的に再生可能エネルギーの重要性が高まっていることから、和歌山県でも豊富な森林資産を活用できないかの検討が行われ、かつらぎ町では木材バイオマスの熱利用や発電の事業を進めているのです。公共の温浴施設ではなぞの温泉「花輪の里」を開設し木質ボイラーで間伐材を利用しています。燃料形態としては間伐によってでてくる薪を燃やしているのです。手入れがゆきとおらない荒れた状態の山を、企業と手を組んで「企業の森」として再生をはかり現在低迷している木材市場の現況を改善しようと取り組んでいるのです。和歌山県では、林野率75%以上かつ人口密度の低い地域を特別区域に指定して振興策を策定しています。かつらぎ町は、民有林が大半であり地域森林経営計画をつくって林道などの整備を進めています。バイオマスなどを推進して間伐材を木材チップとして活用したり、かつらぎ町が策定した木材利用方針に従った公共機関の地元木材活用や民間住宅への木材活用を推進しているのです。なかでも力を入れているのが、木材バイオマスの利用促進で効率的な間伐材の集荷システムを構築して、無駄のない木材の活用と安定供給のシステムづくりにこれからの木材産業の基本的な推進体制をつくっていこうとしています。

 

 
トップへ戻る