海草郡における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

海草郡は和歌山県北部の様々な町村が集まる郡となっており、その郡域のほとんどが山林であるのが特徴です。そのため古くから林業が盛んな地域であり最盛期では杉や檜の生産が非常に盛んな地域となっていました。紀州杉と言うブランドでも有名で、高級木材と重宝されましたが、現在では住宅建築の減少や林業家の高齢化などによりその生産が落ち込んでいるのが実態です。また海草郡は大きな道路がなく交通の便が悪いことから若者が都会に出ていく確率も非常に高まっており、過疎化も進んでいる状況となっており、木材市場の現況はその出荷数が落ち込んでいる状態となっています。
海草郡は複数の町と村から構成されており、明治29年の発足以降町や村同士の合併や周辺からの転入を繰り返し現在に至っているため、その郡域は常に変化している状態となっています。現在は中心的な役割を果たすのが紀美野町であり、この地域の森林面積が町域の75%と非常に林野率が高いのが特徴ですが、高齢化により林業を営むことができる人が減少しており、その出荷数が低下する傾向です。
海草郡は近年では観光に非常に力を入れており、アウトドア体験や様々な地元産業の体験などを実施することで多くの顧客を集めているのが実態です。しかし山あいに存在していることから都心からのアクセスが不便で、これが集客に大きな影響を及ぼしていると言う事実があります。そのため、海草郡全体で観光客を誘致するために道路整備の計画なども進めようとしている状態で、近い将来これらの整備が完成し観光客を呼び込むことができるようになるとともに。生産した木材を運搬する非常に効率的なルートが確立しつつある状況となっています。
高齢化の問題は今後も継続すると考えられており、そのために木材市場の活性化はなかなか難しいと考えられる面があります。後継者育成のために体験学習やその他のイベントなども開催されていますが、現況は非常に厳しいものとなっており、資源を生かした効率的な仕事を行う方法を現在模索しているため、木材市場の元凶は落ち込んだ状態が続くと考えられるのです。

 

 
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