御坊市における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

御坊市は、和歌山県中部に位置する市で、和歌山県紀中・日高地域の中核都市となっています。和歌山県の海岸線のほぼ中央で、日高川の河口がある南北に長い地形となっており、紀伊水道に面した部分は平坦で、御坊市の東側に産地があります。黒潮の影響を受け、年間を通じて温暖多雨で冬でも霜が降りることがほとんど無いほど温暖なため、野菜や花きの栽培が盛んです。また海岸線に面した市の南部には7つの漁港があり、アジやサバ、アワビや伊勢エビなどの水揚げがされており漁業も主力産業のひとつとなっています。
御坊市は、奥日高から日高川を利用して運搬されてくる大量の木材の集積地として発展してきた歴史があります。和歌山県の木材は、品質が良いことで知られており、日高川の上流からたくさんの木材が輸送され御坊市に集積されたのち売りさばかれていたのです。このため御坊市には製材所が大変多く、現在では数は減少したもののかつての名残りで製材所が比較的多い地域となっています。和歌山県は紀州材や吉野材など大変ブランド力がある高品質な木材を生産しているため、木材市場においても需要が高い現況となっています。
戦後の復興期を経て、一時期は製材用木材の消費量が減少傾向となった時期もありましたが、御坊市では増加傾向が続き、県内2位の出荷量を記録するほどの盛況も経験しました。その後輸入材などに押されることもあったのですが、現在では製材施設の大型化と最新鋭の機械を導入した製材、質の良い素材原木を生かして木材市場では注目される存在となっています。建築基礎素材としてはもちろんですが、品質の良さから柱や壁材、床材に使われることも多く、付加価値の高いブランド木材の人気は継続傾向です。近畿圏のみならず国内全域での需要があり、海外でも日本ブームがあることから日本の一流ブランド木材の需要は高くなっており、紀州材を輸出する動きは今後さらに加速すると見込まれています。

 

 
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