海南市における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

海南市は和歌山県の北部にある瀬戸内海に面した街です。4万9千人ほどの人々が暮らしており紀州漆器の産地としても知られています。紀州漆器は和歌山県に伝わる伝統工芸品の1つです。会津漆器や輪島塗・山中漆器などとともに漆器の三大産地とされています。海南市の黒江地区が主な産地となっており、経済産業大臣から伝統的工芸品にも指定されました。黒江地区は同市の北部にあり和歌山市と接しています。この地区には全国的に知られる酒造メーカーの名手酒造もあります。
海南市は和歌山県の県庁所在地である和歌山市とも接しており、周辺地域には多くの人々が暮らしています。和歌山市は県全体の面積のおよそ4%ですが、県内人口の約40%が暮らす地域です。県内の他の都市と比較して人口規模が飛び抜けており、36万人ほどの人々が暮らしています。海南市の周辺は人口が多く経済活動が活発に行われているため、様々な商品やサービスに対する需要があります。建築や土木などの資材として多くの木材が必要とされる地域です。また建具や家具、楽器や紙などの材料とする木材の需要も多いため、木材市場の現況は好調な状態が続いています。
海南市の周辺では古来より様々な目的のために木材が使われてきました。かつては薪や木炭をエネルギーとして利用していましたが、最近では石油が主なエネルギー源となっており需要は低下しています。現在の木材市場において行われている取引の多くは、エネルギーではなく建築や土木などの資材にすることが主な目的とされます。ただし近年では木材を加工した際に発生する木屑を固めた木質ペレットが、地球環境に優しいエネルギーとして評価されるようになっています。海南市の周辺でもクリーンエネルギーとなりうる木材の評価が高まっており、需要は徐々に増加しつつあります。同市の周辺には多くの人々が暮らしており、活発な消費活動を支えるため木材などが必要とされています。木材市場の好調な状態は今後も続くものと予想されます。

 

 
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