下市町における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

奈良県吉野郡下市町は吉野の入り口で、日本で最初の商業手形が誕生した商業地でもあります。
産業は林業や木工業が有名です。
下市は割り箸発祥の地で、南北朝時代に吉野の後醍醐天皇に杉で作った箸を献上したことで全国に広まります。1
1本ずつ美しく加工された下市の箸は、吉野杉の美しさを堪能できます。
エコグッズでもあり、お土産にもなります。
神具や三宝でも有名で、後醍醐天皇が吉野に皇居を移した際に三宝を献上物の器に用いた歴史があります。
吉野ヒノキを加工した伝統の品は、良質のヒノキ材が持つ美しさが特徴です。
吉野軍は品質の高い木材で知られ、全国的に人気があります。
木材市場の現況も、引き続き安定した状態です。
吉野地域で生産されているスギとヒノキは、吉野材と呼ばれています。
他の地域のスギやヒノキと比べて強く、木目の美しさには定評があります。
スギは上品で繊細な色合いで、独特な色合いは古い時代から愛されています
ヒノキも高級感のある白地に薄いピンクが美しく映えます。
ヒノキもスギも抗菌作用があり、リフレッシュできる芳香でも知られています。
同じ木材でも害虫に強い木材と弱い木材があります。
奈良の木はシロアリなどの害虫に強いことがわかっています。
木の年輪を見れば木の一生がわかります。
奈良の木は年輪の幅が細かいという特徴があります。
緻密な美しい年輪は、これまで木を大切に育ててきた人々の愛情と技術六の賜物です。
何百年という年月をかけ、代々受け継いできた育成方法により誕生します。
一般的な植栽に比べて、奈良の植栽は密集しています。
密集して植栽することで、木が太くなりすぎないというメリットがあります。
まっすぐに成長することで、美しい木目が生まれます。
何度も木を間引くことで、森林の状態を調節しています。
密集して植えた木は、30年で1haあたり3000本になります。
間引くことで太陽光があたり、森林の健康が保たれます。
密度を調整しながら丁寧に育つので、細かく均一な年輪になります。

 

 
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