明日香村における木材市場の現況(令和元年 2019)

明日香村における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

明日香村は、奈良県の中央部付近に位置する村で、中央集権律令国家が誕生した地であるため飛鳥時代の宮殿や史跡、古墳などが多く発掘されていることが有名です。日本で唯一の、村全体が古都保存法の対象となっている地域で、日本の心のふるさととして観光業にも力を入れています。明日香村の約6割が産地で、ほとんどが民有林ですが、長期にわたる木材価格の低迷によって、木材市場においても明日香村は低迷をたどっている現況にあります。
明日香村は、特別措置法によって村の全域が歴史的風土保存の対象となっているために、遺跡や景観の保全をすることが義務付けられており、開発規制が厳しい地区です。新たに天然の森林を開発して人工林にすることが難しい側面があることと、林業従事者の高齢化、後継者不足など複数の要因狩り、森林の保全や管理が十分に行われていないという現況でもあります。
近年では、明日香村の森林組合が事業として森林の保全や管理を行うようになり、間伐材を利用した木工製品の開発にも取り組んでいます。研修も活発に行われるようになり、森林の維持管理に必要な技術の習得や間伐材を利用した製品の開発、間伐材等明日香村の木材の需要開拓などに取り組んでおり、一定の成果が見られるようになってきました。明日香村は、恵まれた森林を有しながらも木材市場は低迷の一途をたどってきた自治体です。一般住宅や公共施設、商業施設などの建築に用いる木材の需要に対応しているとは言い切れない面がありますが、質の良い木材を生産することができる地域となってます。現在の規制の範囲内という制限はありますが、今後は森林組合を中心とした間伐材の利用の促進などが期待されます。林業有事者の高齢化や現象に歯止めをかけるためには、若い世代の人材を育成し、定着させることが課題となるため、森林組合が主催している研修事業を継続させ新たな人材を招き入れることも視野に入れていくことが必要です。

 

 
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