御杖村における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

御杖村は奈良県東端部の曽爾高原の南側に位置する山間の村で、村の名前はみつえむらと読みます。日本三百名山の一つに数えられる三峰山があり京都や奈良、伊勢で神事に使う樹木を育てる地域として、半世紀以上の昔から林業や農業で栄えてきました。?森林面積7051ヘクタールから産まれる林業は村の経済を支える主産業で、官民一体となって環境保全や森林整備に取り組んでおり、森林資源を活用した地元木材の利用促進につながる活動を後押ししています。?水資源の確保として名張川源流の洪水防止や土砂災害の防止、空気の清浄化と木材生産、?伐採搬出などを担う新たな人材の育成と安定した雇用を推進中です。?樹苗の販売や林業に必要な物品、資材の販売もしており、山林や木材を活用した産業振興にも力を入れています。?木質バイオマスなどの新たな木材利用方法の開発や、間伐材を利用してウッドブロックやログハウスや山小屋等を生産するなど、御杖村の木材市場の現況は時代に応じて多様化しているさなかです。?林業のみならず森林を活かしたキャンプや渓流釣り、山菜とりなどの観光スポットとしても観光客の誘致をすすめており、村特産の木材をふんだんに使ったみつえ温泉もオープンさせています。?
令和元年は改元にあわせて、新天皇の即位の儀が行われる大嘗宮が建築された年です。?悠紀殿と主基殿及び廻立殿など30棟あまりの木造殿舎の建材として、約550立方メートルの量の材木が必要になるため各地から材木が集められました。?建材となるカラマツやスギやヤチダモの需要が伸びたことで、御杖村からも近年にない多くの量の材木を伐採し、スギやヒノキを伐採した後には花粉が少なく建材に適した樹苗を植林するなど、今後の林業の発展を見据えた植林をしています。即位の儀は数十年に一度なので、御杖村の令和元年の木材市場はまさに数十年ぶりの特需に沸き、出荷及び植林で林業が活発化した年でした。

 

 
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