御所市における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

奈良県の中部に位置する御所市は、西には大和葛城山と金剛山がそびえたち、東には広い森林地帯があるため、木材が豊富にとれるようにみえます。しかし、西側には国定公園に指定されているエリアがあり、国有林とされているエリアも多いです。国有林は取り扱いに関して法令に基づいて厳しく規制されており、業者は伐採して加工することが自由にはできません。東側の森林地帯も管理者や所有者がいる部分が少なくなく、伐採は彼ら自身が行う場合を除いて容易ではないです。
そんな御所市の木材市場の現況について述べると、御所市における木材を用いた事業は大字柳原にある木材協同組合が中心となって行われており、市内で何らかの理由で木材が欲しくなった場合はこの木材協同組合へ訪れれば、欲しい製品が手に入る可能性があります。
木材協同組合とは域内の小規模の木材業者がメンバーとなって組織されている協同組合で、同種の組織は全国各地に存在します。御所市のこの協同組合は、1951(昭和26)年に大和高田市で設立された原木市場が前身で、1979(昭和54)年に橿原市曲川町に移転した後、2002(平成14)年に現在の場所に移転してきました。一般建築材や銘木類の販売を始めたのは1958(昭和33)年で、橿原市移転後に木材の乾燥・加工の事業を開始し、御所市に移転して協同組合となってからは組合員が共同で木材の生産・仕入れ・販売から、乾燥・加工・保管・検査までを行っています。
5万平方メートル余りの広さがある木材協同組合の敷地には製品倉庫、乾燥施設、加工作業や皮剥作業のための施設など、事業を営むのに必要な施設が一通り揃っているほか、ヤング係数や含水率などを測る設備もあります。国産材については御所市がある奈良県の地域認証材やJAS規格に則ってつくられた製材品、一般建築材などがたくさん取り揃えられているほか、外国産材もたくさん製品倉庫内に保管されています。

 

 
トップへ戻る