大和郡山市における木材市場の現況(令和元年 2019)

大和郡山市における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

大和郡山市の木材市場の現況は一定の消費量を誇っているものの、最盛期に比べて減少している傾向があります。これはバブル期に盛んであった木造住宅の建設が1段落し現在では人口も減少していること、さらに日本全体の高齢化が進んでいることからも特に若い世代の人口が減少していることから、住宅の建築が低迷していることによります。
大和郡山市は奈良県の中では森林面積が比較的少ない部類に入り、その割合は市域の9%程度にとどまっています。そのため奈良県全体では木材の生産は比較的多くやっているものの、大和郡山市ではほとんど生産をされてこなかったのが実態です。従来より林業よりもその他の産業が盛んで、特に古来から金魚の養殖は広く行われてきました。市内の様々な場所に糧食池が設置されており、海外にも輸入されている状況があります。
また、大和郡山市の南部には昭和40年ごろから多くの工場が誘致されており、現在昭和工業団地と言う工場のエリアが形成されています。西名阪自動車道が開通していることもあり、輸送を含めて利便性の高い地域となっていることも特徴です。このため、大和郡山市はこの工場に勤務する従業員のベッドタウンとなっており、1995年頃までは人口が急激に増え続けていました。これに合わせて住宅の建設も活発であり、木材の消費は非常に大きなものとなっていたのです。しかしバブル崩壊とともに工場の誘致が減少し、撤退をした企業もあったことから人口は減少しており、これに合わせて木材の需要も減少しているのが実態です。
大和郡山市はかつての工業地域から商業地域に大きく転換している傾向があります。これまでの昭和工業団地のベッドタウンから近隣の都市部への通勤者も増えており、また多くのショッピングモールを始め様々な商業施設が工場跡地に進出していることから、商業地域の色合いが非常に強くなっているのです。そのため木材市場は商業施設に使用される需要が増えつつあり、今後はその状況が大きく転換する可能性を持っています。

 
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