高島市における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

高島市は、滋賀県の西部にあり、琵琶湖の北西に位置しています。高級百貨店の高島屋の名称の由来となっていることが、有名な市です。市の面積のうち72%が森林となっており、市内を流れる安曇川の流れは大変豊かで高島市の森林が豊かで保水力が高いことを示しており、森林の状態が良いとされています。高島の木は、高品質であり、古くから住宅などに利用されてきました。現在でも高島の木材を使用した住宅は大変人気があり、県内はもちろんですが他地域からの需要も高いことが特徴です。
高島市の森林は里山の雑木林とスギやヒノキの人工林、山間部の奥ではブナや天然スギが自生しており、産出する期の種類は豊富です。里山にはスギやヒノキの他、コナラやカエデなどの樹木が雑木林を形成しています。高島市は、特にスギの生育に適していると言われており、林業が盛んにおこなわれていた歴史がある地域です。海外産木材の輸入自由化などによって木材価格が低迷したため、林業で生計を立てることが難しくなり、山村の人口が激減しています。植林された人工林の間伐など、手入れが行き届きにくくなり、放置されている部分も出て来ました。
間伐をすることで森林内に光が届くようになり、木は健全に育ち、土壌が保全されます。下草が生えなくなってしまうと強い風雨で木が倒れたり、表土が流失しやすくなったりするため、豊かな森を守るためには森林の維持管理作業が必要です。高島市は上質な木材を提供することができるという点で木材市場でも期待されていますが、現在では林業従事者の高齢化と減少によって需要に対応することが難しい現況にありますが、京都や大阪、滋賀などの人口密集地に近いという地の利を生かし輸送コストを抑えることが可能な高品質木材の産地なので、林道の整備や高性能林業機械の導入、後継者の育成などに取り組んでいるところです。新築材だけでなくリフォームの時の内装材としても、見た目が良く強度が高い高級木材の需要は高まっているため、森林事業の整備が期待されています。

 

 
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