長浜市における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

長浜市は滋賀県の湖北地方に位置し北には野坂山地、東には伊吹山地があり市面積の約55パーセントが森林で多くの森林資源が存在します。標高913メートルの野坂山地には落葉広葉樹林のブナ林が自生しており、標高1377メートルの伊吹山地は薬草の宝庫として有名です。?長浜市はこのブナ林から生産される林業と、姉川の戦いなどで有名な古戦場や戦国時代の史跡をスポットとした観光業で栄えています。?自治体としても林業を積極的に後押ししており、市の産材を利用して住宅などを新築する個人および事業者を対象に補助金を交付して市産材の地産地消の流れを推進中です。?化石燃料に依存しない木質バイオマスによる再生可能エネルギーの薪ストーブや、ペレットストーブの導入経費についても補助金を交付するなど長浜市における木材市場の現況はかなり活発と言えます。?植林ではヒノキやスギを推進し、地産地消のみならず近隣の県にも出荷することで市の林業利益は年々上昇中です。?
令和元年は台風19号などの水害による建築物や家具材の損失が多く発生し、それに比例して建材の需要が高まった年でもありました。?長浜市産材のヒノキは弾力性と耐久性に優れており、腐朽しにくいことから復興のための建材に、スギは木肌が美しく整っていることから内装材に被災地へ出荷され、近年でも特に需要が高まった年です。?建物用の建材の他、野坂産地に自生するブナの木は松の木やナラ、桐とともに木家具材や床材に人気が高く、損失した家具の材料としてこちらも特需が起こりました。?伊吹山地からは湿気や水に強く菌に対する耐性が高いヒバ、耐久性や耐水性があり虫害にも強い栗の木、大黒柱などの構造材にかかせないケヤキが出荷され、?令和元年の木材市場はここ数年で最も盛んになった年です。?このことから建材として需要が高く耐久性に優れており重厚で強度も高いカリンや、反りや曲がりが少なく耐久性がある材質のクルミ?や耐水性が高いアカマツなどが植林されるようになり、今後も長浜市の木材市場は右肩上がりと予想されています。

 

 
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