豊郷町における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

豊郷町は、滋賀県東部にある犬上郡の街で、犬上川の扇状地あるため、全域がほぼ起伏のないなだらかな低地帯となっています。最高地点でも標高115mと平坦な地形で、町の面積の半分以上が農地であり、稲作が古くから主産業となっています。古くから農業が主力産業でしたが、干ばつが大変激しい地域で農業だけで生活を維持することが難しいという事情から、明治中期以降は多くの人が向上での労働や商店の勤務をするために大阪や京都、東京などの首都圏に流出しました。
現在でも主産業は農業であり、田園風景が広がる景観が特徴となっており、中小の金属工場や繊維工場、商業施設などが続いています。豊郷町は、平坦な地形で森林がほとんど無いため、木材市場では豊郷町の木材はほぼ流通していないという現況にあります。滋賀県は、スギやヒノキの人工林をはじめ、ブナやコナラ、カエデなどの雑木林が豊富で、森林がある自治体の多くが林業も主力産業の一部となっていますが、豊郷町には山間部が無く、森林を有していないため林業はほとんど行われていません。他地域から入手した原木を加工する製材所の数も非常に少なく、林業に携わっている従事者もほとんどいないのが実態です。
豊郷町では、水稲や小麦、大豆の生産が盛んですが、他の野菜や果樹、花卉などの生産もほとんど行われていません。第2次産業や第3次産業に力を入れており、補助事業なども林業に対してはほぼ行われておらず、農業や第2次産業、第3次産業に対して力を入れています。第2次産業としての木材加工業も発展してこなかったため、家具などの生産はされておらず、金属機械製造や金属加工業、繊維工場などが豊郷町の経済を支えている現況です。京都や大阪などの商業圏に近く、輸送コストを圧縮することが可能であること、滋賀県の需要に対応することができることなどから今後も第2次産業と第3次産業の発展が継続するものと予見されている地域です。

 

 
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