東近江市における木材市場の現況(令和元年 2019)

東近江市における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

東近江市は、滋賀県の東部にあり愛知川にそって三重県の県境である鈴鹿山脈から琵琶湖の湖岸まで東西に長い式を持つことが特徴の地域です。森林面積は市域の56%に及び、森林の多くが鈴鹿山系の山間部にあります。琵琶湖の水源伴っている鈴鹿山脈は国定公園に指定されている部分もあり、希少動植物が生息するという点でも貴重です。森林の97%が民有林であり、個人所有が3割、集落所有が1割で公団・公社が2割という構成になっています。また森林面積の約3割が人工林であり、適切な維持管理のもと間伐などの手入れをしながら、木材の生産に当たっています。
東近江市は、質が良く地元である滋賀県はもちろん京都や大阪など人口密集地域である近畿圏との輸送環境が良好なため、木材市場においては需要が高い現況にあります。住宅の基礎部分や足場用丸太、家具用の木材や燃料チップなど多様な利用形態に対応していますが、最近では木材の質の良さから壁材や床材、柱などの需要も高まってきており仕上げ用の木材としても求められるようになってきています。需要の高まりを受けて供給の増加が期待されていますが、林業従事者の高齢化や離職などによって林業の担い手不足の状態が続いており、需要に対応するためには林業に携わる人材の確保と育成が望まれることも現況のひとつです。
近畿圏に近く、便利な場所にある街なので、UターンやIターンなどの若者が林業に携わる可能性があり、募集等も活発に行われています。東近江市では森林整備計画や市内の公共施設の建築材料として地元産の木材を使用する取り組みなどを推進しており、需要も徐々に高まってきている状態です。森林組合などが、個人所有林の整備事業に取り組んだり、林道の整備に参画したりと豊富な森林資源を活用するために事業を進めている地域でもあります。今後は人材不足の解消とさらなる林道の整備や作業の効率化などによって、木材の流通量を増加させることができる可能性があります。

 

 
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