湖南市における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

湖南市は、滋賀県の南部の甲賀地方に属する市です。のどかな山並みに囲まれており、琵琶湖にそそぐ最大の河川である野州川が東西に流れています。市の南部には多くの山が連なっており、豊富な森林資源を有しています。御坊市は温暖な気候と河川の多い肥沃な土壌、きれいな水が揃っており、自然林と人工林の両方があります。湖南市と甲賀市、日野町の三地域が合同で森林組合に属しており、総面積66,981haのうち森林面積は42,256haで総面積の60%以上が森林となっています。
古くからスギやヒノキを中心とした造林や育林が盛んな地域で、肥沃な土地で降水量多いことから生育が良く、甲賀ヒノキが高品質な良質材として有名になりました。かつては良質な木材として木材市場でも需要が大変高かったのですが、木造住宅の建設に当たっては新素材が使われるようになったり、生活様式の変化のため高級木材ではなく新素材屋並材が使われることが増えたり、ヒノキからスギへと需要が変化したりしたためにヒノキ材のブランド価値がスギ材と近付き、木材市場においては価格差が少なくなってきているのが現況です。
近年は、一般住宅や公共施設、商業施設においてあたたかみがある木材の人気が再燃してきており、見た目が良く丈夫で粘り強い高級木材も見直されてきています。新築の建築素材としてだけでなく、リフォームの時の内装材に使われることも増えてきているため甲賀ヒノキのブランド材の需要が高まることも期待できます。湖南市は、三重県や京都府と接しており、大阪府とも近いことや広くは京阪神経済圏と中部経済圏との間に位置しているので、輸送コストの面で有利です。湖南市は人工林の維持管理に力を入れており、林業に対する補助制度や支援にも前向きに取り組んでいるので、輸送体制の強化と整備、若い人材の確保と育成、森林育成プログラムの充実などを継続することでブランドヒノキの国内及び海外需要を開拓することが期待される地域です。

 

 
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