栗東市における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

栗東市は、滋賀県南西部に位置する地域で、全国的には馬のまちとして知られています。栗東市の面積の約半分は森林であり、市街地や住宅地から少し足をのばすだけで自然が豊かな森林を見ることができます。栗東市の森林面積は2,000haをこえており、森林率は44%と比較的高い地域です。古くから林業が盛んで、植樹も行ってきたためスギやヒノキの人工林が69%と高く、上質な高級木材を産出している産地でもあります。
栗東市の森林は、伐採と植樹を繰り返しており、管理が行き届いていることが特徴で、林業振興や森林保全の中心的な存在として森林組合が組織されています。持続可能な森林経営をしていることの証である森林認証を取得しているため、ほかの地域との差別化を図ることができました。栗東市では地元産の木材を選んで、建築物や家具などに使用する地産地消がなされており、木材市場でも一定の効果を認めることができている現況です。
森林認証を受けたことによって、他地域からも高く評価を受けるようになり、栗東市産のスギやヒノキは木材市場では高い需要があります。美しく、丈夫で粘り強い高品質な木材なので、公共施設や一般住宅、所業施設などの仕上げ材に最適であると柱や壁材、床材に用いられています。近年は新築の建築物だけではなく、高品質な木材を内装材に使うリフォーム物件やリニューアル施設が増えてきていることも、栗東市の木材市場を好況に導く要素のひとつです。あたたかみがあり、丈夫で耐久性が高い木材が見直されてきており、リフォーム物件で上質な木材を使用することが大きな付加価値となる傾向にあります。
栗東市は、豊かな森林を有しており、近畿圏への輸送が比較的しやすいことから、今後も需要が継続していくと見込まれている地域です。環境教育や環境保全など多様な取り組みに着手している地域でもあるため、若い世代の林業従事者を育成し管理の行き届いた森林を継続させていくことが今後の課題となっています。

 

 
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