草津市における木材市場の現況(令和元年 2019)

 

滋賀県は日本列島の丁度中間に位置し、東日本と西日本及び太平洋側を結び、古代から現代に至るまで物流拠点として発展してきました。県の面積の6分の1を占める琵琶湖があり、その周辺は豊かな森林に囲まれています。しかし第二次世界大戦により、空襲で焼けてしまった木造建築の復旧のため、天然木が乱伐されました。その結果昭和30年頃には琵琶湖周辺の森林で、伐採可能な木材が殆ど無くなりました。県の北部は冬季になると積雪が多く寒いため、寒冷地対応のスギを中心に植林されてきました。逆に比較的温かい太平洋側の地域では、ヒノキを多めに植林されているため、森林資源は安定共有出来ています。この植林事業は、昭和30年代の後半から進められ、県内では2019年現在は、当時植えられた木材が丁度間伐の適期に達してます。間伐は森林の4割を占める植林で作った人工林を健全に育てるために、絶対不可欠な作業です。植林後に十分に育った木を間伐によって間引く事で、地表まで日光が降り注ぎ、下草が育つ事で土壌流出も抑える事が出来て、豪雨による土砂崩れを防ぐ事も出来ます。同時に元気に木材が成長する事で、地球温暖化につながる温室効果ガスの削減にも繋がります。そういった理由から草津市でも、林産業の従事者を育成指導したり、育てた新規の林業従事者に人工林の管理や間伐の求人を積極的に行っています。草津の木材市場は現況では、切り出された間伐材とスギやヒノキの木材が出荷されています。間伐材の多くは細くて、木材価値が低いためそのまま販売すると間伐コストを上回るので、草津市では加工して付加価値を上げてます。間伐材を工場で、遊歩道の階段や公園のフェンスやベンチなどに加工して自治体で使ったり、学校の机や教卓などに加工しています。さらに細かい端材を使って、携帯電話のストラップや木製の名刺入れなどに加工して販売されてます。世界的な木材不足により、間伐以外の木材も、国内だけでなく海外に輸出量が増えています。

 

 
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