群山市(韓国)における木材市場の取引状況(2019)

 

群山市(韓国)は湾岸都市という産業文化が歴史的にある事から、林業などはあまり盛んではなく木材市場で見ると規模は小さいと言えます。1988年には国営産業団地が建設され、木材取引状況がいくぶん増加した時期があり、その後は工業都市という発展も見せたのが特徴です。しかし2015年以降は造船の不況が大きな影響となり、群山市の造船所の閉鎖が行われました。この事などが影響し、人口の流出や地域経済が悪化していった事が深刻化されて、韓国政府が産業及び雇用危機地域に指定し、特別支援を行うまでに至りました。
この群山市の経済状況を改善するには、韓国の木材市場の活性化が鍵を握っていると言っても過言ではありません。韓国は国土における森林面積の比率は約64%程となっている反面で、その多くは環境林という現状があります。2019年の取引状況で見ても、産業で活用できる木材の生産が比較的少なく、木材の自給率が低い事も指摘されています。そのため多くを輸入に頼る必要性があり、木材取引の活性化は経済の向上には不可欠とされるのが事実です。経済状況を向上させる事で、群山市への支援もスムーズになり、街の再生にも直結していくでしょう。
群山市での木材使用状況において見逃せない部分は、古くから街に存在している日本家屋の存在です。歴史背景の関係から群山市には現在も多くの日本家屋が残されておりますが、これを保存して観光資源に活用するという動きがあるのが特徴です。近代遺産という観点から木造建築の古い日本家屋が保存されていくのは、この群山市において再生のきっかけにもなりうるでしょう。また元都心地域を再生するという取り組みとともに、近代文化の街並みを保存して受け継ぐという視点も注目されています。
群山市にとっては日本家屋という木材が1つの観光資源という存在となり、韓国市場においても木材の取引状況の活性化が支援のポイントとなっていると言えるでしょう。

 

 
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