太白市(韓国)における木材市場の取引状況(2019)

 

太白市(韓国)は大韓民国江原道南部に位置する市であるものの、その総人口数は2016年時点では4万5708人と小規模です。実際に都市という人工的な部分よりも自然が豊かで、高原地帯を有しています。別名「高原都市」とも呼ばれており、レジャー開発に力を入れている状態です。
太白山脈の太白山の麓に都市はありますが、周囲には蓮花峰や三芳山、そして咸白山など多くの山々に囲われています。同時に他の都市や街とも隣接しており、三陟市や寧越郡、慶尚北道奉化郡といったように東西南北それぞれの自治体に囲われている事もまた特徴的です。
先述したように自然に恵まれているため、それをレジャーにする動きが活発ですが、現時点でも自然が楽しめます。「太白山道立公園」という公園がそれで、ハイキングコースが用意されており、高原植物や太白山の信仰がうかがえる遺跡を楽しめる観光スポットです。また標高700mから900mの位置にあるおかげで、夏は韓国国内有数の避暑地としても親しまれています。もっともその分冬は厳しく、1月の最高気温はマイナス4度で、最低気温はマイナス9度です。ちなみに学館の日照時間は5月が長く、229.2時間という記録を叩き出しています。降水量は7月が多く、287.3mmです。
いずれにしても太白市(韓国)は韓国国内でも稀な土地であると断言できます。
その証拠に太白市(韓国)が選んだ市のシンボルである樹木はイチイです。イチイはイチイ科イチイ属の常緑針葉樹で、朝鮮半島にも自生していますが、粘土質な土が多い韓国では珍しいと言えます。そのせいか日本から輸入された杉と檜を好む韓国国内の木材市場ではあまり見かけず、取引状況にも取り上げてないほどです。ただしイチイは加工しやすいうえに光沢が美しく、また日本では工芸品や天井板など様々な代物に用いられた実績があります。檜よりも硬質な性質も相まって希少性が高いため、まだ自給が低いものの、これからの木材市場に期待できる樹木です。

 

 
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