石川県の栗(の木)の取引状況(2019)

 

石川県は林業が非常に盛んな地域として知られています。県土の68%が森林地域であり、古くから松や杉などを中心に建築材料が植林されていましたが、近年ではこれに加えて様々なその他の材料も植林されることが多くなっており、その種類は非常に多岐にわたるようになってきています。その中でも最近期待されているものに栗があり、観光資源としての用途をはじめ、重要な建築材の価値もあることから注目を集めており、取引状況が年々増えているものとなっているのが特徴です。
石川県は能登半島を抱える非常に気候の厳しい地域と言うイメージがありますが、林業には適した地域であることがあまり知られていません。能登半島の地域は比較的緩やかな傾斜の森林が多く、様々な木材を植林するのに適しているばかりでなく、果物の木を植えるのにも適している地域となっています。しかしその気候が通常の果物はなかなか栽培が難しいことが欠点となり、積極的に行われていませんでした。しかし栗は比較的寒さに強く、また安定して収穫をすることができるものでもあるため地域では近年非常に見直されています。さらに観光地の目玉となるよう栗拾いなどのイベントを開催できるようになっており、様々な面で県の経済を潤すことができるような要素となりつつあるのです。
さらに、最近では栗は洋菓子に利用されることが多いためそのイメージを持つ人も多いのですが、古くから和菓子の材料で広く利用されており、石川県でもその需要が非常に大きなものでもありました。その生産を県内で行うことができることから、石川県内の特産品としての価値が高まっており、そのために取引状況は非常に芳しいものとなっているのです。これまで県内産の菓子には外国産の栗が利用されることも多かったのですが、近年では県内で生産される栗を利用したものも増えており、石川県の特産品の1つとなりつつあるため、その取引状況は年々増加している傾向が高まっています。

 

 
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